NEWS

Reshareからのお知らせです

Reshare株式会社お知らせ【コラム】事業承継とM&A
2022.09.15

【コラム】事業承継とM&A

事業承継とM&Aについて現状からメリット・デメリットを考える

国内では、中小規模の事業者による事業承継とM&Aが増えています。増加傾向の理由は、経営者の高齢化や後継者不在など、社会環境の変化が要因として考えられるでしょう。

今回は、事業承継とM&Aについて増加する現状の背景や、第三者承継のメリット・デメリットなどを解説します。事業継続について検討中の経営者は参考にしてみてください。

事業承継の現状

国内では、高齢化が進む中、新型コロナウイルスの影響もあり事業承継やM&Aが注目されています。(株)帝国データバンク「全国・後継者不在企業動向調査(2021年)」によると、同族への事業承継は減少傾向です。その反面、第三者承継が増加傾向となり、後継者不在の企業は61.5%と過去10年で最も低くなっています。

経営者の高齢化だけではなく、新型コロナウイルスによる業績悪化など事業継続が困難になった事業承継を加速する要因のひとつです。

経営者が事業承継に踏み出せるようになった背景には、他にも要因があります。事業承継補助金の運用やM&Aマッチング支援などのサポート体制が進んでいることです。2017年7月に中小企業庁より施された「事業承継5カ年計画」を機に、事業承継のサポートが整いつつあります。

データ参照元:(株)帝国データバンク「全国・後継者不在企業動向調査(2021年)」
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p211104.pdf

事業継承とM&A

事業承継とは、現在の経営者から後継者が事業を受け継ぐこと。後継者は、親族や従業員による引き継ぎが一般的な形式です。

M&Aは、Mergers(合併)の頭文字「M」と、Acquisitions(買収)の頭文字「A」を組み合わせた「企業の合併と買収」を意味します。事業承継は、M&Aの目指す部分のひとつです。

最近では、事業承継のサポートが充実してきました。そのため、親族や従業員だけではなく、第三者承継による事業承継が増えてきました。先述した後継者不在が低下傾向にあるのも、第三者による事業承継の実現があるからです。

事業継承と事業譲渡は違う

事業承継と間違えやすい取り組みに事業譲渡があります。事業承継は、経営者から後継者へ事業を受け継がせる取り組みです。一方の事業譲渡は、事業を譲り渡す取り組み。経営不振で事業の継続が困難な場合、親族や従業員に事業承継を求めても上手くいかないことが考えられます。そのようなマイナス要因において、事業譲渡は役立つでしょう。

事業譲渡は、事業全体に限らず、事業の一部だけの譲り渡しも可能です。事業を譲り渡したいと考えている経営者は、事業の価値を第三者の客観的な判断が期待できます。たとえ、赤字経営だとしても、内側から見えていなかった事業価値を見いだされて資金を得られるかもしれません。

事業承継は、経営者と後継者との間で取り交わしが発生しますが、事業譲渡の場合は、会社法に沿って事業を譲り渡すため、経営者の思惑から外れることも考えられます。

M&Aによる事業承継のメリット

M&Aのひとつ、事業承継によって事業を譲る経営者のメリットは、創業者利益である事業の現金化です。高齢の経営者にとっては、会社と引き換えにまとまった現金が手に入ります。老後資金の足しにすることも可能です。また、自社株式を現金化することで相続が楽になります。逆の立場で考えれば、高齢の経営者に向けて、事業の存続と老後資金の確保がM&Aを進めるポイントになるでしょう。

持株会社を事業承継した場合のデメリット

持株会社の場合は、事業承継により次のデメリットが考えられます。

  • 後継者の相続税や贈与税が引き継ぎ状況により高額になる
  • 株式が分散して後継者が経営権を握れないこともある

上にあげた負担は、後継者に掛かることが考えられます。後継者が親族または従業員なのか、それとも第三者なのかによっても異なるでしょう。引き継いだ後の後継者が背負う負担も把握しておきましょう。

第三者承継のメリット

事業承継は、親族でなくても事業を受け継げます。事業を引き継ぐ相手が第三者であってもM&Aマッチング支援などで進められます。第三者承継は、戦略的に事業承継を進めるうえで欠かせません。

第三者承継は、親族や従業員のような柵(しがらみ)のない後継者を客観的に選べます。第三者承継のメリットは、後継者選びの幅が広がることです。後継者候補が多ければ、候補者の中から最も優秀な人物を選べるでしょう。

第三者承継デメリット

第三者承継のデメリットは、長年築いてきた企業ブランドや経営方針などが変わることです。第三者により築き上げてきたものが変更された場合は、継続して雇用する従業員の不満や不安を生み出します。社風が変われば、従業員の退職や既存顧客離れなどが考えられます。

事業承継とM&Aは今後も増加していく

今回は、事業承継とM&Aについて解説してきました。事業承継は、合併と買収のM&Aの一部です。高齢化社会と後継者不在の課題を抱える昨今、M&Aマッチングを介した第三者承継は増加傾向にあります。事業の現金化と第三者の新しい価値創出が双方に利益をもたらせば、事業承継は今後も進むでしょう。

データ参照URL:
https://www.ma-cp.com/about-ma/business-succession/

https://ma-succeed.jp/content/knowledge/post-2665#chapter-2

https://toma.co.jp/blog/asset/cat-taking-over/%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E6%89%BF%E7%B6%99%E3%81%A8%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E8%AD%B2%E6%B8%A1%E3%81%A7%E9%96%93%E9%81%95%E3%81%88%E3%81%AA%E3%81%84%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%84%E3%83%9D/

https://masouken.com/M&A%E3%81%A8%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E6%89%BF%E7%B6%99%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84