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【コラム】スリランカと紅茶について
スリランカと紅茶
世界的に消費量の多い紅茶は、日本でも休憩やリラックスするときに飲まれている身近な飲み物です。そんな人々から愛されている紅茶ですが、消費ではなく、生産として「紅茶の国」と呼ばれている国があることはご存知でしょうか。
世界最大の紅茶生産国であるインド、紅茶の7大生産地と呼ばれているスリランカ、アフリカのなかで最大級の規模を誇る茶園があるケニアなどが「紅茶の国」と呼ばれています。
では、日本人でも香りや味わいが飲みやすいと言われているセイロンティーは、どこの国で生産されているでしょう。お察しの通り、スリランカで生産されていて、紅茶の葉を栽培するようになったのにはさまざまな背景があります。
今回は、スリランカと紅茶について掘り下げてご紹介します。
スリランカの紅茶の歴史
スリランカの正式名称は「スリランカ民主社会主義共和国」ですが、なぜ紅茶はセイロンティーと、違う名前がついているのでしょうか。
セイロンとはスリランカの旧国名になり、1972年にイギリスから独立したときに国名を改めました。そのため、今でもスリランカの紅茶はかつての国名を付けて「セイロンティー」と呼ばれています。
紅茶の父
元々スリランカはコーヒー生産が世界第2位の国で、ある青年がコーヒー農園で働いていたところ、新しい仕事として茶園をまかされます。そこで青年は茶葉の栽培方法と処理について情熱を注ぎ、実験を繰り返していました。
そんななか、1860年代にコーヒーの木にかかる病気が流行してしまい、コーヒー農園が衰退してしまいます。茶栽培に力を入れていたある青年が行っていた茶栽培手法が他の農園にも広まっていき、なんとロンドンのお茶の市場で高い評価を受けることになったのです。
そして青年はスリランカでの紅茶産業の基盤を築き上げていき、セイロンティーの名前を世界に広めていくこととなります。
その青年は「ジェームス・テーラー」といい、のちに「紅茶の父」「紅茶の神様」と呼ばれる人です。
紅茶王
スリランカの紅茶を広く知らしめた人がもう1人います。その人は誰もが知っているであろう有名な紅茶のブランド「リプトン」の創業者である「トーマス・リプトン」です。
トーマス・リプトンは1890年頃に世界一おいしい紅茶を探してスリランカに船を出しました。ウバの広大な土地を購入し、そこにはインドのアッサム種を植えたのです。そして紅茶作りにブレンディングという技術をとり入れる事で、今までになかった味わいのある紅茶を作り上げました。
スリランカ名産品「ウバ」
スリランカで生産されている紅茶は、ウバ・ディンブラ・ヌワラエリア・キャンディ・ルフナ・ウダプセラワ・サバラガムワです。7種類であることから7大生産地と言われていて、これらを総称してセイロンティーと呼ばれており、その中のウバは世界三大銘茶の一つです。
ウバはスリランカの南東部に位置しており、標高1,400m〜1,700mの高い場所で生産しています。1年を通して収穫されますが、高地で生産しているため7月〜9月は季節風が山にかかっている霧を晴らしてくれて、一気に茶葉を乾燥させることで生まれる「ウバフレーバー」という格段に優れた香味の茶葉が作られます。高地で生産された茶葉は味が濃い傾向があるので、ウバやヌワラエリア、ディンブラなどはロイヤルミルクティーにして飲むことが多いです。
ミルクを入れずに上質な茶葉で注いだウバ茶では、カップの縁が金色の輪のように見えるゴールデンリングを見ることが出来ますよ。
ウバの効能
ウバにはタンニンという苦味を感じる成分が多く含まれています。この成分の働きにより新陳代謝を促してくれて、コレステロールを抑制してくれるのでダイエット効果が期待できます。さらに頭痛改善やリラックス効果、美容効果なども期待できるので、とても魅力のある紅茶です。
リラックス効果やダイエット効果が期待できる成分が入っているので、疲れたときには一度リフレッシュするために飲んでみるのも良いと思います。
紅茶をお湯で入れた場合は約30mgのカフェインが入っているといわれています。大人の場合は、150mg以下のカフェイン量であれば眠りに影響が出ることが少ないとのことなので、ウバ茶も1日に5杯程度であれば飲んでも大丈夫です。
しかし、妊娠中の方や眠る直前などは控えめに飲むことをオススメします。
紅茶の魅力
スリランカで本格的な紅茶用茶葉の栽培が行われるようになったのは130年程前からです。しかしながら、スリランカで生産されている茶葉は世界でも有数の輸出量で、生産した90%以上を他国へ輸出しています。その量は24万トンを超えるほどで、ティーバッグも年間2万トン以上輸出しています。
スリランカで製造された茶葉は色・味・香りの3つのバランスがとても良くとれており、世界で愛され続けています。日本でも見かけることの多いセイロンティーですが、今回ご説明した内容以上に魅力にあふれている紅茶です。一度ゆったりとした時間の中でティータイムを楽しんでみるのはいかがでしょうか。